10/27(日):4日目

   Loen-Brigsdalsbreen氷河-オーレスン

  

  

   朝8時に一旦起きるがあたりはまだ暗いのでもう一眠りする。

   今日からサマータイムが終わりであるが、朝の8時半でもまだ暗い。

   朝食開始時刻の9時位がようやく明るくなる感じでちょうどいい。

   9時を過ぎ、簡単に身支度をした後、朝食をとりにレストランへ行く。

   ここは団体用観光ホテルなのだろうか、2Fのレストランのスペースがとても広い。

   窓側の見晴らしの良い場所を確保し、優雅な朝食をとる。

   朝の日差しが川に照り返され、なんともいえずいい雰囲気。

   食事後、3Fの絵画展示室(絵画を展示、販売している)に行き、窓を開け何枚か写真を撮る。

   まわりの山々は雪を薄くまぶしたようで、とてもすかすがしい。

  

  

  

   売店でトナカイの角を使ったスクリューを定価の3割引きで買った後、チェックアウト。

   暖機の間、車のスイッチ類をチェックしていたのだが、外気が全部入る設定になっていた事に気付く。

   窓が曇ることはなかったが、道路の埃が車の中をスルーするようになっていた。

   これは全くの失敗だった。道理でいつも喉が乾く感じだった。

   室内循環になる様セットする。

  

  

  

   ホテルを出て、町を眺めようと丘の方を車で回る。

   昨日は気付かなかったが、こちらにペンションが1軒あった。

   煙突から煙が出ていたので営業しているようだ。

   なかなかいい雰囲気だったのでここに泊まってもよかったのだが、

   道路脇にあるホテルとは違い、見つけるのは少し大変なので、昨日の状況で果たして気付けたかどうか。

   また、近くに教会があり、碑も立っている。

   年代を見ると、1908年、1938年(確か)とあったので、それぞれの大戦時の戦死者の一覧のようだ。

   ここまでドイツ軍が来たのか。

  

   今日は氷河を見る日である。

   LoenからOldenを経由して一本道に入り、氷河(Brigsdalsbreen)の入り口へ向かう。

  

  

  

   一本道は何の変哲もない田舎道なのだが、周りの山々のせってくる様子、

   脇の湖の雰囲気、周りの草々、家々などの調和がなかなかGood。

   湖の色が青緑色をしていて、とてもきれい。

   思わず車を止めて写真を何枚も撮る。

  

  

  

  

  

   かなり奥の方まで入った時にCafeと書かれた店があったので寄り道したが、

   ここも例外なく休みに入っていた。残念。

   ここでは夏は蜂蜜も売っている様だ。きっとうまい事だろう。

   案内の地図があったので見るとこのあたりはそこらじゅう氷河だらけ(Jostedalsbreen)である。

   今日行く氷河(Brigsdalsbreen)の他にも、ここから別の氷河(Brenndalsbreen)に行ける様である。

  

  

  

   車をさらに5分ほど進めると、道は行き止まりになった。

   キャンプ場の入り口に駐車料金の自動支払機があった。一日200円なり。

  

  

  

   誰もいないシーズンオフだし払わなくても良さそうなものだが、払っとけばばちが当る事もないだろう。

   コインを2枚ほど投入。

   車を置き、ザックにカメラなどを入れ、徒歩で上に向かう。

  

   10分ほど歩くと観光用駐車場、お土産店があった。

   全て閉まっていて閑散としている。

   一番目立つお土産屋の看板は3カ国語で書かれていた。が、なんとその1つは日本語だった。

   うーーん、こんなところまで来て日本語にお目にかかれるとは。

   バイトか長期滞在で来ていた日本人の方のお陰だと思うが、とても感心してしまった。

  

  

  

   氷河に向けて山を登る。

   登りがかなりきつくぜえぜえする。

   後ろから現地人の夫婦が犬を伴って上がってくるようだが、彼らは馬車用の緩い坂を通っている。

  

   30分の後、かなり上がったなと思った岩場でふっと視界が開けた。

   前方にはガイドで見た風景が。

   そう、氷河が見えるところまでついに来たのだ。やったと思った。

   早速写真を撮る。

  

  

  

   氷は艶が無いので発泡スチロールの様にも見えるが、これが何百万年前からあると思うと驚きだ。

  

  

  

   氷河の先端に向けてさらに歩くが、要所要所にある案内用の木の板に日本語が彫られているのを

   見て、またまた先人の跡に驚く。

  

  

  

   傾斜が緩くなり、すこし広場みたいな砂地に出た。

   ここが流氷の先端だ。

   先端が良く見えるところまで歩く。

   氷は徐々に溶けているのか、氷がぐわっと割れるような、ダイナミックな雰囲気は無いが、

   水が下から伝わって流れており、とても滑らかな感じ。

  

   氷をしばし眺める。

   ガイドに書かれていたとおり、確かに氷の奥の方は青色の度合いが深い。

  

   記念写真を撮る事にする。

   どこで写そうか迷ったが、大胆にも氷河の上に乗ることにした。

   氷は砂まみれになっているが、近くで見ると氷は5mm四方の結晶からなっているような感じで、

   当たり前であるが、非常に硬い。

   傾斜のほとんどない厚い氷の上に乗り、セルフタイマーで写真を撮る。

  

   その後すぐ砂地に戻り、氷河の上を登るコースの入り口付近まで行ってみる。

   入り口には「danger」とあり、先には道案内用の棒が何個所か立っている。

   これらは全て氷なので歩くのにはアイゼンが必要なのだが、遠くから見ると

   砂が混じっていて、艶も無いため、楽勝でいける感じ。

  

   試しに少しだけここを歩いてみることにした。

   砂地から少し先にある傾斜が5、10度位の緩い砂まみれの氷に乗り、

   1、2m歩いたのだが、その直後、右足が突然すべり、その直後、体全体が

   ぐわっと右に流された。

   しまった!!

   と思ったが、もうどうすることもできず、すっ転ぶからだを痛めない様、

   とっさに腕を下に回し、体を保護する。

   氷自体何も引っかかるところがないので、氷の上では体が止まらず、

   氷の端にある砂地に足が着地することで、ようやく滑りが止まった。

  

   1、2秒ぼうぜんとし、その後、体全体を見回す。

   頭の左前を軽くぶつけたせいか、眼鏡が30cmほど吹っ飛んでいた。

   カメラはフタが外れ砂まみれである。

   服は氷と擦れたところが擦り傷の様になっている。

   両手も何個所かけがしたようだ。

   三脚に血が着いていたので指をもう一度見た。

   左手の中指甲が切れている。

   氷に手をぶつけたさい、自分の滑り落ちるスピードで切った様だ。

   ともかく、体勢を立て直し、安全なところまで戻る。

   砂を落としたり、気分を落ち着けたりするのに5分ほどかかった。

  

  

   先程滑った氷の上の1、2m先の場所をもう一度眺める。

   砂がかぶさっているため、滑る雰囲気は全然感じられない。

   試しに、50cm先の氷に足をあててみる。

   力を入れたら足がいとも簡単に滑った。

   30cm先の氷を見る。

   氷自体は結晶の集まりのため、でこぼこしているが、が、表面の山には

   引っかかるような部分は無い、でこぼこしていながらも、つるんとしている。

   おそるべし、氷の上は少しでも傾きがあれば見事に滑る。

  

   これが下に砂地があったようなものの、もし、下が水だったら。。。

   また、水の下がまた氷だったら。。。。

   水の下で足を踏ん張っても滑るだけなので、泳いでひっかかりのある

   ところまでゆかない限り、危険な状態になっていたかもしれない。

  

   一応、砂地があることを確認して冒険はしたものの、自分の見掛けだけに

   だまされた行動を反省した。

  

   その後、先ほど記念撮影した平らな氷の所へもう一度行ってみる。

   少し足を乗せ、滑らない事を確認した後、もう一度歩いてみた。

   こちらは滑らない。大丈夫なようだ。

   砂の量はこちらの方が多いせいもあるが、傾斜が緩かったことが

   大丈夫だった原因のようだ。

  

   氷河から離れる前にもう一度氷河を眺める。

   氷の避け目(クレバス)が見える。上に登るときにはグループ行動が絶対だ。

   一旦落ちたら誰も気づいてくれないに違いない。

  

   また、家族連れが結構来ていたが、皆風景を眺めるだけで氷の先端を

   触ることさえもしなかった。

   自分は相当冒険好きな野郎だったのかも知れない。あはは。

  

   帰りはのんびりと歩く。

   傾斜の緩い馬車が通る道をのんびりと歩く。

  

   30分位かけて駐車場まで戻る。

   途中、詳細な現地の地図、氷河ツアーガイドの紹介などあった。

   ( www.briksdalsbre.no )

   ( www.strynglaciertours.no )

   ( www.briksdalsbreen.com )

   氷河自体いろんなところから見る事が出来、また氷河の上へ行くルートが

   いろいろあるようだ。

   女の子がタンクトップ姿で写っているポスターもある。

  

  

  

   さっきのハプニングを考えると、かなり驚き。

  

   車まで戻り、残していたチョコをかじり気分を整える。

   目の前にある山々の間に氷河の端があるのを見つける。

   こちらはかなり小規模だが、下方に向かって氷が延びているのが分かる。

   このあたりの山々の間にはすべて氷が覆われているのかと思うと、

   すごく壮大な世界を感じてしまう。

  

   ジュースも飲み、一息つけた後、帰路に着く。

   朝通った一本道を流す様にして走る。

  

  

  

   少し音楽が聴きたくなり、FMをつけてみた。

   唯一1局だけがかろうじて入る。

   こんなところを一人で走っていると、

   英語で「何しに来たの君は〜」なんて聞えているようにもみえる。

  

   しばらく走っていると、遠くの方に人が見えてきた。

   珍しいなと思い減速すると、そのザック姿の男の人が片手を上げてこちらを見ている。

   ヒッチハイクか?

   止まって何処に行くのか聞いたらStrynまでという。

   この長い距離をずっと歩く事を考えたらと思い、即決で彼をのせる。

   彼はやや黒っぽい感じだが、黒人ではない。外国人旅行者のようだ。

   聞いたら、カナダから来た溶接工(Welder)で、昨日Brigsdalsbreenでキャンプしたという。

   荷物はザック一つだけだがこれがものすごくでかい。

   一つでトランクが一杯になった。

  

   彼は色々話してくれるが、どちらかというと、基本的に無口タイプだ。

   昨日この20km近い道のりをずっと歩いてきたことを考えると、自分のお気楽さを少し恥じた。

  

   そもそも、ヒッチハイクというのは、現地の人の車に乗せてもらうものが相場だと思うのだが、

   旅行者が旅行者の車に乗るなんて、双方のリッチさの差が現れてしまった感じ。

   旅行者には差はあまり無い方がいいと思っていたので、ますます自分の状況がお気楽なものに

   感じてしまった。

  

   行きは40分位かけて来た感覚だったが、帰りは20分位でLoenに着く。

   彼は当初Strynに行く予定だったが、このLoenの景色が気に入ったせいか、それとも

   ガイランケルフィヨルドの遊覧船が10月からは運行されていないことを私から知り

   スケジュール変更に迫られたせいか、ここで降りると言った。

   中央部にあるTourist Informationらしき広場で彼を降ろし、別れ際に握手を交わす。

  

   私は今日の宿泊地オーレスンに向けて車を進める。

   Strynに着き、ロータリーを抜けてHellesyltへ車を向ける。

   Hellesyltへ向かう道は次第に高度が上がってゆくが、道幅は決して広くない。センターラインもない。

   最高速度70km/hというのはかなり危険に見える。

   いわゆるゴールデンルートが故に速度を高めにしているのだろうが、50km/h制限で十分な感じ。

  

   1時間程走りHellesyltに着く。

   町はけっこう広いが、日曜日なので7割方の店が閉まっている。

  

   時間が無いのでざっと眺めるだけにし、車を先に進める。

   当初は山あいをぬって西廻りにしようと思っていたのだが、オーレスンへ明るいうちに到着したかったのと、

   レンタカーの返却時刻も気になったし、また、ガイランケルフィヨルドを見ることの出来るポイントもあるので

   ルートを変更し、東寄りの近道コースとすることにした。

  

   上り坂を10km位進んだ、トンネルを挟んだ休憩地の辺りがきれいで、車を停める。

   車から降りて周囲を見渡す。

   ここは三境とでもいうのか、フィヨルドが3方向に分岐しているところである。

   周囲の山々はいずれも険しく、雄大で、それが先に連なっている。

   手元の山は1つであるが、奥には3つの山々、左には7、8つの山々が

   いずれも尊厳高い雰囲気でたたずんでいる。

  

  
                


   いずれの山々も上の方は雪を被っており、下の方は紅葉の木々が連なっている。見事。

   そして眼下の水面にはさざ波が無く、静かにたたずんでいる。

   この水面は海なので海抜0mだが、山々はいずれも標高1500m前後なので、

   標高差が五感の感覚を越し、また、奥に連なる山々までの距離も10km以上あり、

   これもまた五感の感覚を越しそう。

   これが全て遠くにあるのではなく、手元の景色から順々に遠くなり、

   その距離感がいままでに感じたどのようなものよりもけた外れに大きく

   グワーンと押し寄せてくるようだ。

   地球のスケールを見た感じ。

   とにかく、見えるもの何もかもが雄大で、素敵で、周りには誰もいなく、

   自分はそこにいるだけというこの環境に五感の感覚が少しおかしくなったような、そんな気がした。

   この感覚はその後、2、3日間、自分の頭をぼうっとさせた。

  

   その後、北海道の山岳道路を思わせる快適絶叫ルートが続き、雲の下に一旦降りるが、

   交差点を介し、再び山越えに入る。

   道の外は雪が積もっており、スキー場のすぐ脇を60〜70km/h程度の速度で抜ける。

   下に降りたら、道路の安定感と、時間を短縮したかった事もあり、90〜100km/hで駆け抜ける。

   このあたりの道路は極めて快適。

   3日も走れば右ハンドル、右車線にも慣れた。

  

   1時間ほど走り町に入り、一休止。

   Cafeなどいろいろあったが、買い物が気軽そうなガソリンスタンド付属のコンビニに入る。

   コーヒーとソーセージサンドを買い、車のなかでほお張る。

   時間が多く取れない時にはこの組み合わせはとても便利。

  

   一段落した後、車のエンジンをかけ、ブレーキを踏んだ状態でギヤをバックに入れる。

   するとがくっという音と共にエンジンが止まった。

   何かやらかしたかと思い、足下をみると、クラッチを踏まないままギヤを変えていた事に気づいた。

   普段オートマに慣れているが故の失敗であった。

  

   さらに30分位走り、町を抜け、フェリー乗り場にたどり着く。

   コンビニが1軒あったが、先程休憩した事と、他の車が乗船中だったので

   自分も他の車に続き、そのまま乗船する。

   乗船した後船代を払い、船内の売店にゆく。

   喉がとても渇いたせいかコーヒーを5分で飲み干し、デッキに出る。

  

   あたりは少し薄暗くなってきたが、まだなんとか外が見える。

   この辺りは山々もそんなに高くはなく、フィヨルドの幅も広い。

   瀬戸内海の島々を伝っている感じ。

  

   15分程の航行の後、下船したら辺りがかなり暗くなってきた。

   現地の帰宅ラッシュの車の流れに乗り、時速50、60km/h程度で車を流す。

   ここまで来るとFMも全局入り、多少強めのビートがとても心地いい。

   ノルウェーのFMは英語曲が多いが、ノリのGoodなのが多く、とても気持ちいい。

  

   出発時に何度も迷ったいくつかのロータリーを抜け、20分位でオーレスンに着いた。

   ガソリンスタンドに入り、そばにいた現地の人に地図を見せ、ここの場所が

   当初予定していた給油場所である事を確認する。

   ガソリンはこちらでも満タン返しであるため、給油の準備をする。

   前回の給油時にはガソリンを吹きこぼしたので、今回は慎重に行う。

   他にポテトチップスも買い、ホテルへと向かう。

   ホテルへはわずか5分で着いたが、地図だけが頼りであった。

   やはり辺りが暗いととても心細くなる。

  

   レンタカーはホテルで返却することにしていたので、ロビーの人にその旨伝える。

   3日分たまったごみをまとめ(山合いのホテルに置いてゆく気にはならなかったので

   ずっと車に入れておいた)、

   この3日間ありがとうと車に礼を言い(少し変?)、キーをかける。

   チェックインをし、荷物を部屋まで移動。

   ノルウェーのホテルはドアが高く、木製の部分が多い。ドアの厚さが格調の高さを感じさせる。

   部屋に入り椅子に腰を落ち着ける。

  

   何とか無事に着いた。

   しばらくは椅子から動けなかった。

  

   一段落した後、夕食が19時までというのを思い出し下のレストランへ行く。

   レストランには誰もいないがテーブルはきちんとセットされている。

   今風のデザイナーズショップをレストランにした感じ。

   カボチャ色の壁と窓の無い内装が特徴的。

   自分より2、3歳上位の女の人よりいろんなメニューの説明を受けるが、いずれも肉類だったので、

   魚が食べたいといったら、15分後、魚の切り身(多分タラかマス)の炒め物にソースがのったものを

   持ってきてくれた。これがなかなか素敵で、しかもうまい。感動。

  

   ビールも125mlの瓶を2本飲んだが、ほっとしたせいかすぐに酔いがまわってしまった。

   コーヒーを飲み一段落した後、とてもうまかった旨伝え、部屋に戻る。

  

  

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